第5回です。
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5:初めての打ち合わせ~ルールを決める
今回も長いです。
いろいろなツールを入れてもらい、制作の準備が整ったら、まずは話し合いをしましょう。
実際に会って話してみるというのも手ですが、ハードルが高いので、スカイプがいいと思います。
スカイプのボイスチャットもいいですが、それでも敷居が高いと思いますので、普通のテキストチャットで。
まずチャットワークで都合のいい日時をヒアリングして、日時をセッティングします。
そして、簡単なレジュメなりサマリーなりを用意しておきましょう。
あらかじめ公開しておくといろいろ考えておいてくれるはずです。
①あいさつ ~ 自己紹介を兼ねて
②どういうものを作りたいか
③企画内容について
④個々人のスタンスについて ヒアリング
⑤運用について
⑥同人ゲーム制作のルール
⑦今後のスケジュールについて
話すことが7つもありますので、時間はおそらく90分~2時間くらいになるかもしれません。
当日になりましたら、予定通りことを進めていきましょう。
遅れる人もいるかもしれませんが、10分ほど待ったら進めちゃっていいんじゃないでしょうか。
テキストチャットだとログを見てもらえるので、便利です。
①あいさつ
これは普通の自己紹介ですね。
自分が何を担当するかとか好きなゲームとかなんでも語ってもらうといいと思います。
②どういうものを作りたいか
これまた一人ずつ訊いていくといいと思います。
どうして同人ゲームを作りたいかって質問にも近いです。
推理物のアドベンチャーが好きだからとか、リトバスが好きだからでもなんでもいいと思います。ざっくりと。
③企画内容について
みなさんに企画書を見てもらってるはずですので、この企画をどうしたいかと印象を聞かせてもらいましょう。
「フルボイスにしたいんだ」とか「俺は100人のキャラクターを描くから使ってくれ」とかこのゲームをどうしたいかを把握します。
実現不可能とも思えることも、存分に言ってもらえればいいと思います。まだ夢を語っていい段階ですので。
④個々人のスタンスについて ヒアリング
ここからわりと現実的な話をしていきましょう。
メンバーそれぞれがどれだけ同人ゲーム制作につぎ込めるかを軽く教えてもらいます。
「平日はできないけど休日に制作するよ」とか「毎日2時間ずつくらいがんばるよ」とか。
うちのサークルでは教えてもらったときは月40時間くらいが多かったと思います。
もちろん60時間、80時間やってくれる人もいますし、私は過渡期は120時間くらいはがんばってました。
こうして作業のスタンスを把握することで、それぞれどれだけの物量をこなせるのかがわかり、ゲーム全体のボリュームがイメージできます。
もちろん、活動時間が少なくても全然気兼ねしてもらう必要はありません。
みんなで楽しくやることが大切ですので。
⑤運用について
メンバーのスタンスがわかれば、念のためツールの運用について確認しておきましょう。
チャットワークの使い方やスカイプで打ち合わせするのは土曜日が都合がいいんだとかいろいろ見えてくると思います。
使い方がわからない人がいたら、しっかりとサポートしてあげましょう。
⑥同人ゲーム制作のルール
ここでもう一つ重要なことを話し合います。
面と向かい合って制作しない同人ゲームならではの恐ろしい事態を回避するためです。
・チェックや相談などのレスポンスが遅くなり、作業が滞る
・ふらっといなくなる
だいたいこの2つが問題になります。
なので、ルールを決めて、みんなに協力してもらうことが重要です。
A:2日に1回は必ずチャットワークを見ましょう
B:返信はすぐにしましょう。返信が遅れそうなら、後でしますと一声かけましょう
他に決めるべきこともあるのですが、今のところはこれくらいでいいと思います。
ルールは分かりやすいことと実行できることが大切ですので。
他にも増やしておきたい場合は、相談すればいいと思います。
ちなみに「ふらっといなくなる」は対応策がありません。
そうさせないためにも普段からしっかりとコミュニケーションをとり、信頼関係を築く必要があります。
なので、私たちにできることはAとBくらいのものなんですね。
⑦今後のスケジュールについて
最初の打ち合わせはそろそろおしまいですが、今後どういう予定かをメンバーのみなさんに知ってもらう必要があります。
次回も打ち合わせをしたいところです。
何を話すかと言いますと、この企画についてです。
シナリオのこと、ゲームシステムのこと、グラフィックのこと、そのほか気になること。
どういうゲームを目指すのかを決める場を設けるということです。
メンバーのみなさんには次回の話題について準備をしてきてもらうようにしましょう。いわば、宿題です。
こういう絵を描きたいとか、キャラクター作りたいとか絵についてやシステムはこうしたほうがおもしろくなるといったアイディアなどなど。
一人一人に企画について考えてもらうことで、ゲーム制作に関わっているという気持ちを高めてもらいます。と同時に、このゲームは自分たちのものなんだという意識も芽生えさせます。
そして、その打ち合わせが終えたら、再度企画内容を詰めて、仕様を決めて、スケジュールを決めて、そして制作に取り掛かると流れを説明しましょう。
これで最初の打ち合わせは完了です。
さて、最初の打ち合わせでディレクターは何を成し遂げるべきなのか。
ひとつはメンバーの性格やスタンスがなんとなく読み取れたと思います。
もう一つは、ディレクターとしての力をメンバーに知ってもらえたかと思います。
いかにしっかりとしているか、先を見たかじ取りができているかを感じてもらうことが大切です。
なぜなら、メンバーは最初は不安に思うはずです。「自分の時間が無駄にならないか、この人たちと作っていけるのか」。これを払拭し、安心感を持ってもらえたなら大成功と言えます。
常に肝に銘じておいてほしいですが、同人ゲーム制作は各メンバーの投資によって完成します。
しかも、投資はお金じゃなくて、時間です。膨大な時間。青春を削ってくれる人間もいるかもしれません。
ディレクターはそんなメンバーの期待に絶対に応えなければ、なりません。
ですので、みんなのことを把握して、今後、何ができて、何ができないのかをこの段階から考える準備をしなければならないのです。
ディレクターが生半可な気持ちですと、絶対にゲームは未完成で終わってしまい、メンバーの期待を裏切ることになります。
厳しくなる必要はありませんが、とてつもなく大きな責任感が必要です。
なんだかビジネス書みたいなことになってきましたが、今回はこの辺でおしまいにします。
次回はスタピーの実例に基づいたお話ができるかと思いますので、お楽しみにしてください。
※ディレクターの方はマネジメント系のビジネス書を読むのも多少は参考になると思います。
ただ注意すべきはみんな、給料をもらってゲームを作るわけじゃないという点です。
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